>  2001/06/06 (水) 15:00:16        [mirai]
> > 週末の大通りを 黒猫が歩く
> > ご自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々と
> > その姿から猫は 忌み嫌われていた
> > 闇に溶ける その体目掛けて 石を投げられた
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> > 孤独には慣れていた むしろ望んでいた
> > 誰かを思いやる事なんて 煩わしくて
> > そんな猫を抱き上げる 若い絵描きの腕
> > 「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」
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> > 腕の中もがいて 必死で引っ掻いて 孤独という名の逃げ道を
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> > 走った 走った 生まれて初めての
> > 優しさが 温もりが まだ信じられなくて
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> > どれだけ逃げたって 変わり者は付いて来た
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> > それから猫は絵描きと 二度目の冬を過ごす
> > 絵描きは 友達に名前をやった「黒き幸」”ホーリーナイト”
> > 彼のスケッチブックは ほとんど黒ずくめ
> > 黒猫も 初めての友達に くっついて甘えたが ある日
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> > 貧しい生活に 倒れる名付け親 最後の手紙を書くと 彼はこう言った
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> > 「走って 走って こいつを届けてくれ
> > 夢を見て飛び出した僕の 帰りを待つ恋人へ」
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> > 不吉な黒猫の絵など売れないが それでもアンタは俺だけ描いた
> > それ故 アンタは冷たくなった 手紙は確かに受け取った
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> > 雪の降る山道を 黒猫が走る
> > 今は故き親友との約束を その口にくわえて
> > 「見ろよ、悪魔の使者だ!」 石を投げる子供
> > 何とでも呼ぶがいいさ 俺には 消えない名前があるから
> > 「ホーリーナイト」「聖なる夜」と 呼んでくれた
> > 優しさも温もりも 全て詰め込んで 呼んでくれた
> > 忌み嫌われた俺にも 意味があるとするならば
> > この日のタメに生まれてきたんだろう どこまでも走るよ
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> > 彼は辿り着いた 親友の故郷に 恋人の家まで あと数キロだ
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> > 走った 転んだ すでに満身創痍だ
> > 立ち上がる間もなく 襲い来る 罵声と暴力
> > 負けるか俺はホーリーナイト 千切れそうな手足を
> > 引き摺り なお走った 見つけた! この家だ!
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> > 手紙を読んだ恋人は もう動かない猫の名に
> > アルファベット1つ 加えて庭に埋めてやった
> > 聖なる騎士を埋めてやった
> 長文ウゼエ

全文引用ウゼエ

参考:2001/06/06(水)14時59分22秒