8月15日。玉音放送があるからと屋上へ集合した。 ラジオから流れてくる天皇陛下の言葉は聞きづらかった。 正直、何を言っているかわからなかった。 だが、敗戦であることは間違いなかった。 私はやっと戦争が終わった…と内心ホッとした。 その夜、眠っているとどこからともなく、 ブス、ブス、ブスと布を刺すような音がした。 はて、何だろうと思ったが、あまり気にも止めず眠ってしまった。 翌朝、将校たちが2、3人自決しているのが見つかった。 まさしく、夕べの布を刺すような音は……何をか言わんや、だった。