投稿者:ハッカ飴 2001/06/09 (土) 05:21:46        [mirai]
俺は、その日のうちに三人の同級生と二人の後輩、そして三人の中学生を拉致した。

そして雪菜は、いつも泣きそうな顔をしながら俺の補佐をして今日に至った。

ズームイン朝が終わった日は、関東が終わった日でもあった。

八月三十一日、深夜。
磯野家のカツオくんも宿題を終えたころ、
横須賀基地に停泊中のアメリカ軍空母【インディペンデンス】に搭載されていた、戦術核が暴発。
神奈川県と、東京都を巻き込んだ爆発は、関東地方一帯に死の灰を撒き散らして、関東を死滅させた。

翌九月一日早朝、混乱。
同日、某地方都市で連続少女拉致事件がおきるが、混乱の為に報道されず。

翌々日早朝、混乱。
午後に至って暴動に発展。
治安維持を目的としてアメリカ駐留部隊を投入。暴動鎮圧に乗り出すが失敗。
すでに一部報道機関により、関東死滅の原因が発表されていた為に、
日本国民のアメリカ軍への不信感と反感は凄まじく、治安はさらに悪化。

関東死滅、一週間後。
帰郷していた為に難を逃れた国会議員らが中心となり、名古屋に【臨時政府】を発足。
自衛隊中部師団の武力を背景に東海地方の治安回復作戦を開始。

同時期、大阪府知事を中心とした【大阪臨時首都機構】が発足。
同じく自衛隊近畿師団の武力を背景に治安回復作戦を展開。

三ヶ月後、作戦の大半を終了。
当初の予定では一ヶ月以内に終了させるはずであったが、
【伊東たくと】当時十七歳が、暴徒の組織化を行なったために【名古屋臨時政府】の作戦が著しく停滞する。
作戦終了後【名古屋臨時政府】は【伊東たくと】を政治犯として指名手配した。

同時期、【名古屋臨時政府】と【大阪臨時首都機構】の対立が表面化。
両勢力とも自らが日本政府であることを主張。
直接勢力圏が重なる、三重、奈良、滋賀の三県では、両勢力の武力が集中し緊張が高まる。
これ以後【名古屋臨時政府】を【名古屋政府】とし【大阪臨時首都機構】を【大阪政府】とする。

関東死滅後半年。
【名古屋政府】は治安回復作戦時に、暴徒を組織化した【伊藤たくと】は【大阪政府】の工作員だったとして、強く非難した。
そして、現在奈良県内に潜伏していると思われる【伊東たくと】の身柄を要求した。

【大阪政府】は工作員疑惑をはっきりと否定し、
かわりに【伊東たくと】という未成年の少年を政治犯にでっち上げ
謀略の材料にした【名古屋政府】を逆に非難した。

その上で【大阪政府】は、【伊東たくと】に、身柄を安全に受け入れる用意があることを発表した。
ここで、両政府の決裂は決定的なものとなった。

同時期、【名古屋政府】は【伊東たくと】の身柄をおさえるために、自衛隊普通科連隊を奈良県へ投入。
【大阪政府】はそれを阻止する為に、自衛隊混成師団を名阪高速道路の方面から配備。

そして、ついに西南戦争以来の大規模な内戦が勃発する。
当初、兵力で勝る【大阪政府】が有利かと思われたが、内戦勃発直後に統治下にあった四国地方が独立し、
それに続いて九州地方が独立した為に、主力兵数が減少し、
一時は、東大阪市付近まで、名古屋政府軍の進攻を許した。

しかし、その後アメリカ軍の介入などもあって、戦況は膠着した。

そして、そんな中、滋賀県中部の都市【伊東市】が独立を宣言した。
それから五年後。

参考:2001/06/09(土)05時17分08秒