> 2004/09/20 (月) 16:16:09 ◆ ▼ ◇ [mirai]> なんでもいいので長文のテンプレをはっつけてくれヽ(´ー`)ノ
00: なぜ、仮想未来の宇宙世紀0079の戦い、つまり「一年戦争」においてモビ
01: ルスーツが主兵器となるにいたったのか、読者諸兄はご存じであろうか?
02: 「テクノロジーの進歩によって、ロボット技術が洗練され、兵器として信頼す
03: るに足るポテンシャルを発揮できるようになった」ことでもあるが、しかし、
04: 現時点における兵器の進歩は、秘匿(ステルス)性とレーザー誘導による
05: 精密攻撃の二点に向けて収斂しており、この傾向は今後も当分続くことは
06: 疑いない以上、単なるテクノロジーの進歩をその原因と見ることは難しい。
07:
08: それどころか、モビルスーツはその形態からも明らかなように、人間機能を
09: 拡大発展していったものにすぎず、戦場における運用も、人間が生身で戦
10: っていた時代のそれと大きく食い違うところはない。むしろ、第二次大戦が
11: 戦車や航空攻撃の支援を受けつつ戦われたことを思えば、戦闘技術の退
12: 行と言っても過言ではなかろう。
13:
14: これはすべて、「ミノフスキー粒子」の発見によるところが大きく、アインシュ
15: タイン物理学を根底から覆す、この粒子の存在なくして、ガンダム世界を語
16: ることは不可能である。一般に流布する説によれば、ミノフスキー粒子とは
17: 「静止質量を持たず、+か-の電荷を得ており、不可視のフィールドを形成
18: して、ある範囲の電磁波(マイクロ波から超長波)の伝達を阻害するという
19: ものであり、これによって、旧来の、つまり連歩軍の軍事システムは完全
20: にその力を発揮できなくなってしまったのである。モビルスーツのパワージ
21: ェネレーターとして原子炉の小型化に成功したことや、航空力学を全く無視
22: したホワイトベースの大気圏内飛行を可能にした事実まで、すべてミノフス
23: キー粒子のおかげだというのは、もはや物理学の基礎すら身につけておら
24: ぬ文学青年の小生には、とうてい理解の圏外であるが、いずれにせよ、軍
25: 事運用の「指令・統制・連絡・情報(C3I:シーキューブドアイ)」を貫く高度な
26: 通信システムが、ほぼ沈黙させられた以上、敵を早く発見し、それを攻撃
27: するという、言葉にすればシンプルな原則は、個々人の力量に依存せざる
28: を得なくなるのは当然で、結果として、行き場を失った軍事テクノロジー
29: は、人間の機能を強化拡大したモビルスーツへとそそがれることになるの
30: である。その意味で、小生は、原作中では単なる「やられメカ」にすぎず、
31: ザコよろしく扱われてきた「MS-06F ZAKU 2」を極めて高く評価しているの
32: である。
33:
34: 昭和40年代後半に生を受けた男児の常として、小生もまたガンダムの熱
35: 烈なファンであり、劇中に語られた様々な言葉は、今もなお胸中深く刻み
36: 込まれている(たとえば「連邦のモビルスーツは化け物か!?」「ザクとは
37: 違うのだよ、ザクとはっ!」「うわぁ、火、火が・・・母さーん!!」)。自然、
38: ガンダムに刃向かうジオンの悪党どもは憎しみの対象にすぎず、アッザム
39: に乗ったマ・クベが逃げてしまったときなどは悔しくて夜も眠れず、壺を恨み
40: にギャンで戦死したときなどは、うれしくて喝采をあげたものだった。ところ
41: が、齢長ずるにつれ、軍事的知識を蓄積し、その理解を一年戦争に当ては
42: めてゆく過程で、小生はガンダムが抱える大きな矛盾に向かい合わざるを
43: 得なかったのである。
44:
45: モビルスーツ戦闘の粗型ともいえる近現代の歩兵戦闘においても、先に挙
46: げた秘匿性は重要な要素である。19世紀後半の帝国主義国家間の軍拡
47: 競争の結果、小銃・機関銃の命中精度は飛躍的に向上しており、その変
48: 化の前に、旧来の戦闘思想は大きな変革を迫られた。それまでの歩兵戦
49: 闘といえば、部隊ごとにきらびやかな軍服を身にまとい、整然と隊列を組ん
50: で敵兵とぶつかり合うというものであった。たとえばナポレオン関係の戦争
51: 映画を見ればそのことは感動的に描写されているし、そこまでさかのぼら
52: ずとも、南北戦争の時代まで、こうした戦闘習慣は当然のものとして考えら
53: れていた。それどころか、日露戦争にまでもこの軍服思想は引きずられて
54: いる。無論、帝国主義国家間の戦争には、まだ騎士道の精神が残されて
55: おり、その残光が最後の輝きを示した実例ともとれるのだが、一方で、ボー
56: ア戦争ではイギリス兵のきらびやか軍服が、野に埋伏するゲリラ兵の格好
57: の標的となったことを教訓として、アフリカのサバンナに適応するため、カー
58: キ色の軍服が初めて採用されている。第二次大戦においては、ナチスの
59: 印象によってか、装飾美をよろしくしたような時代的逆行の印象を受けると
60: ころだが、実際の戦闘服はきわめて機能的にデザインされており、特に、
61: 迷彩服に身を包み、森林に埋伏して正確な銃撃を加えるドイツの小部隊戦
62: 術は、連合軍を最後まで悩ませ続けていた。
63:
64: ガンダム時代のモビルスーツ戦闘は、これに類似していると考えてよい。
65: 違いがあるとすれば、モビルスーツを可能とするテクノロジーがあるかない
66: かにすぎないのである。ここで、もう一度、戦場の様相をのべておきたい。
67: 一年戦争では、戦車や航空機といった、我々が信じるところのハイテク兵
68: 器が一挙に役立たずの代物となってしまった。我々が常識的にとらえる兵
69: 器というのは、ある特定の機能を拡大進化していったものである。たとえば
70: 戦車は「重装甲、快速度を持って敵陣を突破」するための兵器であり、突
71: 破後の占領地確保に当たるのは、あくまでも歩兵であった。逆に言えば、
72: 歩兵の随伴なき戦車の攻撃は、その衝突力は別として、占領地の恒久的
73: 確保にはつながりにくく、きわめて特化された機能しか持ち得ぬ兵器だと
74: いえる。航空機も同じ事で、これは、航空戦闘に特化した兵器である以
75: 上、それのみを持って占領維持をすることは全く不可能である。こうした特
76: 化兵器を有機的にまとめ上げ、巨大な戦闘機械とすることに成功したの
77: が、今我々が考えるところの軍隊であり、このバラバラの機能をまとめ上げ
78: るために不可欠な要素こそが、"C3I:Command,Control,Communivation
79: & Information"を支える高度な通信システムなのである。ところが、ミノフ
80: スキー粒子の発見により、・・・(以下略)
81:
参考:2004/09/20(月)16時14分09秒