日本語の起源は明らかでない。朝鮮語は、文法的近似性は認められるが、 語彙が大きく異なるため、祖語とは看做されていない。音韻体系や語彙はむ しろ、南方系のオーストロネシア語族との近似が認められる。イロイロ、ダ ンダン、といった重ね言葉、肉体の部分を表す言葉、日常生活の言葉などに 顕著である。 日常生活の語彙は変化しにくいことから、現在では南方言語を基層とし、 北方系のアルタイ語族の文法が混交し、さらに弥生時代以降朝鮮系の言語が 流入して日本語が形成されたと考える説が一般的である。これはDNAなどから 見た日本人の構成とも整合する。しかしアイヌ語やシンハラ語やタミル語と の関係も指摘されており、起源の解明はいまだ解決を見ていない。