【刑事】 



刑事になって４０年が経った。
早いもんだな。
たくさんの仲間を失ったし俺自身も死ぬ思いもした
妻と娘はそんな俺を見放して出ていった
まぁ、当然なんだけどな。


俺ももうすぐ定年だ。このヤマが最後になるだろう、今更事務になんか行く気にはならない、俺は最後まで現場にいることを選んだ。
それが例え死ぬことになろうとも。ヤツだけは俺が捕まえるんだ。 



◇ 



俺が掴んだ情報によると、この店にヤツの親父がいる。
俺は店の扉を開けようとした。不謹慎かもしれないが、この緊張感がたまらなく好きだ。
少し乱暴に扉を開けると、人は少し脅えた表情をする、この顔もたまらない。
もし、刑事になってなかったら俺は犯罪者になってたかもしれないな。 



ガンッ 



「警察だ」 

さて、どんな顔をしてるかな。フフ 







え？オカマ？ 







・・・・え？・・・・なんで・・・・・・・・・嘘ッ！・・・・・痛ッ！
痛イタイいたい・・・・・・・・・・・・裂けっ・・・・・
違う、俺はこんなことをしに来たんじゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



・・・・・・・・・・貴様！逮捕し、痛っ痛てー嘘です、ごめんなさいすいませんでした・・・・・ 











◇ 



－取り調べ室－ 



「刑事さん、俺、自主するよ」 

「そうか」 

「刑事さん？」 

「あ・・いや・・・なんでもない」 

「泣いてんの？」 

「何言ってんだ、そうだ、カツ丼でも食うか」