2004/11/04 (木) 20:24:34 ◆ ▼ ◇ [mirai]ロサアァッ!キネッ、キネッ、キネッ…。絶え間無く続く、便垂。
芳しくゆらめく、スパイスの香気。この瞬間が永遠であったなら…。
と、その時、祐巳の妄想を強制的に中断させる轟音が女子トイレ内に響いた。
アン・ブリョブリョブゥオット――ン!!
今日は待ちに待ったお姉さまとの初デートだというのに。
トイレで二時間も立ち往生なんて、あんまりだ。
ランチにカレーを選んだことが仇となったか。
でも、まさかお姉さまがイカカレーのイカに当たるだなんて…。
祥子「紙が無い!?祐巳、貸して頂戴」
「お姉さま?左手でお尻をふいた後で、そこの瓶の水で流すんだと思いますけど」
「全く何なのかしらこのトイレは?祐巳、暫くあっちを向いていなさい。
あと、耳を塞いでいなさいと言ったでしょう!」
慌てて両耳を押さえる祐巳。お姉さまの糞音は大きいから、耳を塞いでも無駄なのに…。
それにしても、カレーが何からできているか知っているなら、
カレー屋さんの汲み取り式トイレで紙なんか使えないことはわかる筈なのに…。
本当にお嬢様育ちなんだなあ。
でも、そんなお姉さまの世間知らずな所を見れて、少し嬉しかったり。
「お姉さま、終わりました?」
祐巳が振り返ると、個室に祥子さまの姿が無かった。