一般に位相共役光の発生は3光波混合の過程で,向き合う2本のポンプ光照射下で,第3の入射光であるプローブ光の時間反転波が作られるものである。 単一のポンプ光とプローブ光を結晶表面に照射するとき,ポンプ光によって励起子または励起子ポラリトンが励起される。 ある条件下でその一部が弱局在によって反射され,第2のポンプ光の役割を担う。 更に,2光子が励起子分子に共鳴するときは,プローブ光の時間反転波である位相共役光が協力に発生することが予測できる。 その為の条件は,ポンプ光とプローブ光の成す角度がある臨界角より大きいことが必要で,臨界角は励起子の寿命と拡散係数で決定される。 この過程の観測可能性を定量的に検討を行う。