秋葉は晶を見ろしながら、ふと気づいてつぶやく。 「あら瀬尾、スカーフが曲がってるわよ」 その言葉を耳にして、晶は一瞬激しく驚きの表情を見せ、次の瞬間には、いったい何を思ったか、満面の喜びの表情になり、頬を赤らめながら無言で秋葉を見上げた。 三秒、四秒、五秒……無言の時間が過ぎる。秋葉は呆れた口調で言った。 「瀬尾、それぐらい自分で直しなさいよ。しっかりしなさい」