「何か用があってきたんでしょ?」 タマ姉のことだ。用もないのに俺の家に来るほど閑じゃないだろう。 「あ、用ね。あるわよ」 「なに?」 「デート」 「ぶーっ」 俺は飲みかけの珈琲を吹き出した。 「ど、どうしたの、タカ坊?今、タオル持ってくるわね」 パタパタとタオルを探しにいくタマ姉。 「で、デートぉ?」 タマ姉が持ってきたタオルで口を拭きながら、訊ねる。 「そ、デート」 「急になんでまた?」 急に勢いがなくなるタマ姉。 「だ、だって。私達、つ、つきあってるじゃない?それに…」