2005/03/02 (水) 07:49:01 ◆ ▼ ◇ [mirai] ボリビアの首都ラパスのエル・アルト国際空港は、標高4050mの
台地上にあります。そこでの空気密度は地上の3分の2程度しかありません。
そもそも飛行機というものは揚力+推力で空を飛ぶわけですが、この揚力を生
むのは空気の抵抗力であるわけです。空気密度が3分の2ならば、同じ翼の面
積では3分の2の揚力しか発生しません。
したがってエル・アルト空港への着陸は「このスピードで着陸するの?」と思
うほど速く、ランディングの瞬間も通常の3-4割増しぐらいの衝撃を伴いま
す。
逆にエル・アルト空港から離陸する時には、通常の倍ぐらいの距離を走る必要
があります。実際、離陸距離が短いことで知られる727が4000mぐらい
走らないと離陸できません。(海抜0mなら1500mぐらいで離陸できるの
です!)
一般的に国際空港の滑走路長は3000m程度が標準とされていますが、エ
ル・アルト空港の滑走路は5000mもあります。
飛行機の方も特別誂えで、たとえばアメリカン航空のマイアミ-ラパス便に使
われている757は、降着装置と高揚力装置(フラップ)が強化されており、
ノーマルタイプの757は使えないそうです。航空母艦に着艦する海軍機の降
着装置が強化されているのと同じ理屈です。
ヒコーキマニアならずとも、一度は離着陸を経験する値打ちありです。