> 2001/07/18 (水) 00:56:33 ◆ ▼ ◇ [mirai]> 念仏を頼む
メに説教せられたのが、くやしくて逃げたわけではありませんで
、ヒラメの言うとおり、気持のしっかりしていない男で、将来の
るで見当がつかず、この上、ヒラメの家のやっかいになっている
毒ですし、そのうちに、もし万一、自分にも発奮の気持が起り、
その更生資金をあの貧乏なヒラメから月々援助せられるのかと思
て、いたたまらない気持になったからでした。
し、自分は、所謂「将来の方針」を、堀木ごときに、相談に行こ
、ヒラメの家を出たのでは無かったのでした。それは、ただ、わ
も、ヒラメに安心させて置きたくて、(その間に自分が、少しで
たいという探偵小説的な策略から、そんな置手紙を書いた、とい
気持も幽《かす》かにあったに違いないのですが、それよりも、
りヒラメにショックを与え、彼を混乱当惑させてしまうのが、お
、とでも言ったほうが、いくらか正確かも知れません。どうせ、
のに、そのとおりに言うのが、おそろしくて、必ず何かしら飾り
哀しい性癖の一つで、それは世間の人が「嘘つき」と呼んで卑し
ながら、しかし、自分は自分に利益をもたらそうとしてその飾り
んど無く、ただ雰囲気《ふんいき》の興覚めた一変が、窒息する
、後で自分に不利益になるという事がわかっていても、れいの自
れはたといゆがめられ微弱で、馬鹿らしいものであろうと、その
言の飾りつけをしてしまうという場合が多かったような気もする
の習性もまた、世間の所謂「正直者」たちから、大いに乗ぜられ
)その時、ふっと、記憶の底から浮んで来たままに堀木の住所と
参考:2001/07/18(水)00時55分19秒