名雪「祐一はどうしてあんなに前向きなんだろう…」 月を見ながら一人考えてみる。部屋が暗い分、いつになく月が大きく見える。 名雪「祐一…私はもうだめだよ。もう立ち上がれないよ…」 部屋の中に月の光を反射して鈍く光る物…包丁だ。 いつもなら絶対に持ち出せないこれも、お母さんがいない今は… 名雪「…こんなとき祐一なら何って言ってくれるのかな…」 祐一の部屋に行ってみる。いないとわかっていながら… 名雪「祐一…入るよ…」 いないとわかっていながら… 夢遊病のような瞳で…ドアに手をかける。 祐一の部屋から声が… 名雪「祐一はもういないのに…」 消えるような声で… ?「…ちから かぜ われらのそ… いまこそ ものよ はねに… たましいに… すべよ…」 名雪「さようなら… 祐一… 祐一はもう… 道を見つけたんだね…」