>ハッカ飴 2001/08/27 (月) 02:25:16        [mirai]
> > 眠くも無いんだけどな(;´Д`)DC版こみパでもやるか…
> 閉ざされた未来(第一章)「ずれはじめた時間」
> 一茶/文
> 三週間前・・・。
> どこで歯車が狂ったのだろう?
> なんら普段と変わらない一日だったはずなのに・・・。
> 和樹と初めてのキスをした翌日、放課後の教室で彩は呼び止められた。
> 「長谷部さん。」
> 帰り支度をしていた彩は、ゆっくりと振り返った。
> クラスの男子生徒が二人立っている。
> 一人は随分と小柄だ。彩よりも背が低いかもしれない。それにかなり痩せている。
> 上目使いの表情がなんとなくネズミのような印象を与える男だ。
> もう一人は背も高いがその分横にも大きかった。
> 押し黙った感じが何を考えているのか判らないように見える。
> ほとんど会話をした事もないクラスメイトに話し掛けられて彩は困惑していた。
> 「(誰だっけ?名前は・・・。)」
> 小首を傾げて彩が考え込む。
> それを見て痩せた男の方が慌てて話し始めた。
> 「ご、ごめんね突然。長谷部さんって漫画を描いてるんだよね?」
> 本当の事なので彩はコクンとうなずく。
> 「僕と、こいつ、あ、僕は片山、こっちは田代っていうんだ。」
> 紹介された田代が無言のまますっと会釈をする。
> 「二人とも漫画を描いてるんだけど道具とか技術で解らないところが最近増えて来たんだ。」
> 彩は黙って聞いている。
> 「それで、この前のこみパであの”ブラザー2”の千堂さんと話してる長谷部さんを見て、色々教えて貰えるんじゃないかと思ったんだ。」
> 彩が困ったような表情になる。
> 和樹は確かにすばらしい作品を描いているし、人気もある。
> でも、自分は・・・。
> 彩の表情が曇る。
> 「あ、いや、そんなに大袈裟な事じゃなくていいんだ。僕らの作品とか使ってる道具を見てちょっとしたアドバイスが欲しいだけなんだよ。」
> 「どうすれば・・・いいんですか?」
> 彩の返事を聞いて片山が嬉しそうな声を上げる。
> 「見てくれるんだ!じゃあ今から僕の家で見てくれないかな?そんなに時間はとらせないからさ。」
> 考え込んだ彩だが今日は和樹と原稿を描く予定は無い。少しならと思って返事をする。
> 「・・・わかりました。」
> 「それじゃあ行こうか。」
> 片山が先導するように歩き出し教室の外へと向かう。それに彩と田代が続いた。
> 思えばこれが地獄の様な日々の始まりだった。
> その地獄の入り口へ彩はゆっくりと歩いていく。
> 自分の足で・・・。
> 片山の家は学校からそう遠くないマンションの最上階にあった。
> ワンフロアー全てを使った豪華な部屋だ。
> 奥の20畳はありそうな広いリビングに通された彩は高級そうなソファーに腰を下ろしていた。
> 片山は部屋が汚いから少し待っていてくれと言って引っ込んでしまった。
> 今は田代がキッチンから飲み物を運んできたところだ。
> 「どうぞ。」
> 田代がグラスを差し出す。どうやら麦茶のようだ。
> 「あ・・ありがとう。」
> グラスを渡すと田代はテーブルを挟んで彩の向かい側に座った。
> 室内が乾燥している上、歩いてきて喉が乾いていた彩は麦茶をゆっくりと飲み始めた。
> それを田代が暗い炎の宿る目でじっと見つめている。
> 麦茶を飲み終えてもまだ片山は現れない。
> 不審に思った彩だったが田代に話し掛けようとして上体がゆらいだ。
> 「(あ・・れ・・・?)」
> テーブルに手をついてこらえるが今度は猛烈な眠気が襲ってくる。
> 「あっ、あのっ・・これ・・・どう・・・いう・・・・こと・・?」
> 彩が最後に見たのはテーブルの向こうで満足そうに笑みをたたえている田代の顔だった。

DC版やってから彩は2番目になってしまったので微妙な気分…(;´Д`)

参考:2001/08/27(月)02時23分01秒