2001/09/05 (水) 15:36:00        [mirai]
佐藤栄作氏のノーベル平和賞に疑問


ノルウェーのノーベル賞委員会が平和賞創設100周年を記念して
出版した「ノーベル平和賞 平和への100年」が、1974年の
故佐藤栄作元首相への授賞に疑問を投げ掛ける内容であることが5
日分かった。 
 佐藤氏は非核三原則に基づく外交などが評価され、受賞した。 

過去の全授賞を解説した同書は「佐藤氏はベトナム戦争で米政策
を全面支持し、日本は米軍の補給基地として重要な役割を果たし
た。後に公開された米公文書によると、佐藤氏は日本の非核政策
をナンセンスと言っていた」などとし、佐藤氏の実際の政治姿勢
と授賞理由との隔たりを示唆した。 
 同書は授賞の取り消しなどの措置には言及していない。
 佐藤氏への授賞決定に対し〈1〉日本では歓迎されず、不
信、冷笑、怒りを招いた〈2〉米紙ワシントン・ポストは
(選考した)ノーベル賞委員会が日本の陳情にだまされた
と論じた―と列挙した。
 また同書には、71年の原爆の日に広島市の平和公園
で献花する佐藤氏に抗議の女性がつかみかかろうとする
写真を掲載。「左派学生らは『帰れ』と叫んだ」との説
明も加えた。 

 著者はノルウェーの歴史家3人で、同国のアフテンポス
テン紙によると、8月末の出版記念会で記者会見した著者の
1人のオイビン・ステネルセン氏は「佐藤氏を選んだことは
ノーベル賞委員会が犯した最大の誤り」と当時の選考を強く
批判した。(共同)