墜落遺体ですから、もちろん、いわゆる五体満足なものは多くはありません。歯 形・指紋・足紋・血液型などあらゆる法医学的な手段が活用されて、部分遺体の確 認が行われました。目が三つある頭部、乗員・乗客を含めて520人しか乗ってい なかったのに、521番目の遺体があった話など、どれ一つをとっても、現場にい た人ならではの貴重な記録です。ちなみに、前者は衝撃のあまり一人の頭部にもう 一人の頭部の一部がめりこんで「合体」してしまった結果のものであり、後者は、 母親の胎内から飛び出してしまった妊娠6ヶ月の胎児の遺体でした。