2001/09/21 (金) 05:45:00        [mirai]
 初音ちゃんと遊ぶことにしたはいいが、トランプのゲーム内容で紛糾していた。
 うーむ、俺バクチ関係しか知らないしなあ。

「神経衰弱!」
「あっ、それいいな! それなら二人でも、そこそこ盛り上がるか」
「うん、じゃあ、やろう」
 初音ちゃんはにっこりと微笑んだ。
「よっしゃ! んじゃ、二人でいっちょ、神経を衰弱させっとすっか!」
「……」
 初音ちゃんは、なんだか複雑な顔をした。
 ニヤリと笑ったように見えたのはきっと気のせいだろう。


「じゃ、わたしからね」
 こういうのは先手が不利だ。初音ちゃんはそれを見越してか、わざわざ自分から先手を
買って出た。
 ううっ、つくづくいい子だぜ。
「えへへ、やっぱりだめだね」
 めくって出たのはハートの3とダイヤの6。次は俺だ。
 適当でいいよな。まずはある程度オープンにしないと進まないし。
 一枚目はスペードの2。
 そんで二枚目。

 俺は目を疑った。
 札に書かれていたのは人物画。
 キングとかクイーンとかジャックとか、そんなハイカラなもんじゃない。

 僧侶。
 純和風。
 なぜに!?

「お兄ちゃんボウズー」
 蝉丸のかかれた札を持ったまま固まった俺を置き去りに、初音ちゃんがあとを続ける。

「えっと、これでどうかな?
 あ! わあい、中納言ゲットだぜ」

 中納言?
 いつのまにやら百人一首が混入していたらしい。
 しかもゲーム内容が坊主めくりに移行しているのか!?
「つぎお兄ちゃんだよ、ねえ早く早く!」
 とりあえずめくる。

 あ、M:TGのセラエンジェル?
 おお、野村義男のキラカード!?

「すごいよお兄ちゃん、野村だよ! 激ヤバ二枚買い必至の超レアものだよ」

 ……そうなのか?
 つうか、もらっていいんですか? この組み合わせ。
 たしか最初並べたときはトランプのカードしかなかったと思うんだが……。