2001/09/21 (金) 05:45:00 ◆ ▼ ◇ [mirai] 初音ちゃんと遊ぶことにしたはいいが、トランプのゲーム内容で紛糾していた。
うーむ、俺バクチ関係しか知らないしなあ。
「神経衰弱!」
「あっ、それいいな! それなら二人でも、そこそこ盛り上がるか」
「うん、じゃあ、やろう」
初音ちゃんはにっこりと微笑んだ。
「よっしゃ! んじゃ、二人でいっちょ、神経を衰弱させっとすっか!」
「……」
初音ちゃんは、なんだか複雑な顔をした。
ニヤリと笑ったように見えたのはきっと気のせいだろう。
「じゃ、わたしからね」
こういうのは先手が不利だ。初音ちゃんはそれを見越してか、わざわざ自分から先手を
買って出た。
ううっ、つくづくいい子だぜ。
「えへへ、やっぱりだめだね」
めくって出たのはハートの3とダイヤの6。次は俺だ。
適当でいいよな。まずはある程度オープンにしないと進まないし。
一枚目はスペードの2。
そんで二枚目。
俺は目を疑った。
札に書かれていたのは人物画。
キングとかクイーンとかジャックとか、そんなハイカラなもんじゃない。
僧侶。
純和風。
なぜに!?
「お兄ちゃんボウズー」
蝉丸のかかれた札を持ったまま固まった俺を置き去りに、初音ちゃんがあとを続ける。
「えっと、これでどうかな?
あ! わあい、中納言ゲットだぜ」
中納言?
いつのまにやら百人一首が混入していたらしい。
しかもゲーム内容が坊主めくりに移行しているのか!?
「つぎお兄ちゃんだよ、ねえ早く早く!」
とりあえずめくる。
あ、M:TGのセラエンジェル?
おお、野村義男のキラカード!?
「すごいよお兄ちゃん、野村だよ! 激ヤバ二枚買い必至の超レアものだよ」
……そうなのか?
つうか、もらっていいんですか? この組み合わせ。
たしか最初並べたときはトランプのカードしかなかったと思うんだが……。