2001/10/25 (木) 21:38:11        [mirai]
ロバート・レッドフォードがFBIのあるエージェントに脅されて
競馬のノミ屋のポール・ニューマンを逮捕する為に無理矢理協力させられ
彼を裏切ったかのように思われていたのが、
実はこのFBIのエージェントも彼らの仲間であって
実は全てが芝居であったということが
最後の最後に分かるという点にあるように思われます。
けれどもこのサプライズエレメントを得る為に、
この映画は実に巧妙にプロットを操作するのですね。

それはどういうことかと言うと、チャールズ・ダーニングの存在です。
最初私目は、彼の存在は随分と中途半端なような気がしていたのですが、
実は彼がいないと最後のどんでん返しが成立しないのですね。
要するに、FBIのエージェントに脅迫されてレッドフォードが
ニューマンを裏切ったと観客に思わせるシーン
(すなわちこの二人が取引きするシーン)には、必ずレッドフォードと
このFBIのエージェント以外の第三者が立ち会っている必要があるということです。
しかもこの第三者は、レッドフォードとFBIのエージェントが
実はグルであることがバレてはいけない人物である必要があり、
かと言って悪漢ロバート・ショー或は
その仲間がそんなシーンにいては不自然なわけです。
そこでチャールズ・ダーニングが登場するのであり、
彼がいなければこの2人が映画の中で芝居をする理由がなくなってしまうわけです
(すなわちこの映画を見ている観客に対してのみ
芝居をしたのではルール違反になるからです)。
こういう点が、何かこの映画は、
最後のどんでん返しを演出する為に巧妙にプロットが操作されているなという感覚を与えるのですね