わたしの視神経はたしかに前方に2人の人間という生物を観測している。 しかし、だからといってそれが人間の存在を証明することになるだろうか。 もしかしてそれは私の知覚の生み出した幻影かもしれない。 世界には自分に似た存在がいると言うことを認識しておきたい、自己の精神の 生み出した幻想かもしれない。 だが、目的を達成するには、その存在に近づくしかない。近づいて、その存在に 接触しなくてはならない。 その行動によって世界にどんな作用が発生するのだろうか、不安は耐えない。 だが、わたしは進まなくてはいけない。