黒船このかた泣きの涙に捨て処なく 江戸は均しく針地獄の様呈し居り候 尽きせぬこの世の恨み一切 如何様なりとも始末の儀請け負い申し 万に一つもしくじり有るまじく候 但し右の条々闇の稼業の定め書き 口外法度の仕留人 仕置き 法によって処刑することを江戸時代こう呼んだ しかしここにいう仕置人とは 法の網をくぐってはびこる悪を裁く闇の処刑人のことである ただしこの存在を証明する記録 古文書の類は 一切残っていない