小学校の国語の教科書で「しろいぼうし」という話があり、その冒頭で「これはレモンの香りですか?」と 堀端で乗せた紳士が尋ねるのに対し、タクシーの運転手が「いいえ、なつみかんですよ」と答えるシーンを 何故か覚えています。さらに、紳士は「へえ、なつみかんていうのはこんなにも匂うものなのですか?」 と聞くと、運転手は田舎の母が送ってくれたものだと答えます。実はなつみかんはほとんど市場からは 姿を消してしまいました。それはより味の良い甘夏にとって変わられたからです。 甘夏に比べナツミカンは甘みが少なくほろ苦いので栽培されないようになってしまいました。 私はナツミカンのほろ苦さが好きでたまに見かけると買い込んでは炬燵で皮の山を築きながら食べています。 みなさんはほろ苦いナツミカンの味を覚えていますか?