2001/12/06 (木) 17:46:03        [mirai]
人物学習のすすめ


                                     壱
                                           人物学習のたのしさ

              人物学習とはその名の通り、歴史上の人物を取り上げて学習・研
             究することです。人物学習をすると、その人物が生きた時代や周辺
             の人物がわかってきて、歴史が楽しくなります。多くの人が興味を持
             っている大河ドラマや歴史ドラマのほとんどが人物を中心とした物語
             であることを考えれば、いかに多くの人が人物学習の予備軍である
             かわかると思います。
              人物研究とは少し異なりますが、司馬遷が記した歴史書『史記』
             は、紀伝体という人物中心で書かれており、編年体という時代順に
             記された歴史書よりも臨場感あふれる歴史を伝えています。


                                 弐
                                      より深く人物を知るために

              人物学習をするにあたり、人物をどのように選ぶか、これは重要な
             問題です。長続きさせるためにも自分が興味を持っている人物、好
             きな人物を取り上げるとよいと思います。自分とゆかりのある人物、
             例えば自分の地元と関係がある人物や、自分の先祖と関係あるとい
             う人物だと、持続して学習・研究できると思います。
              人物が決定したら、その人の自伝、伝記などから人物の輪郭をとら
             える必要があります。簡単なものとして辞典も利用できます。大きな
             辞典であれば人物決定の手がかりにもなりますし、著名な研究者が
             わかる場合もあります。
              人物が何を考えていたのかという問題は、人物学習では重要な部
             分ですが、どんなにその人に関する自伝、伝記、古文書等を読んで
             も出てこない部分があります。人物学習をするときは、その人にスポ
             ットライトを当てるだけではなく、その人が当時見ていたもの、当時感
             じていたものを自分が感じられるような研究をして、人物と同じ方向
             を同じ地点から向くことが大切です。そのためには時代背景や周辺
             の人物なども丁寧に調べる必要があります。


                                      参
                                            人物学習の注意点

              人物学習をするとき、簡単な伝記を読むことがあると思いますが、
             人物研究書の中には、その人物を好きになるがあまり、偏った見方
             になり、美化してしまうことがあります。それでは人物の本当の姿に
             たどり着くことはなかなかできません。いくつかの本を読み、本当に
             そうなのか比較することも大切ですし、すべての本に載っているよう
             な通説でも、史料に基づいていないことがありますので、常に疑問を
             もって研究する姿勢が必要です。

http://cgi.members.interq.or.jp/dragon/kangethu/Hokuto/Data/Vo1/S.html