指ポッキンは害になる? 2001/12/06 (木) 18:10:06 ◆ ▼ ◇ [mirai]ポキポキ鳴らすのを癖にしていると関節障害の原因になる、とよく言われるそうな
んですが(現に筆者も家族からそう言われ続けた)、実際はどんなものなんでしょ
う。例によってMedlineで"Knuckle Cracking" or "Joint Cracking"で検索し、関節
疾患に伴う異音などについての論文を除外し、「習慣的指ポッキンの影響」と言う
点に触れたものだけを取り出すと、要約が読める論文はここ10年で3つだけ引っ
かかってきました。
いい加減に要約すれば(1)習慣的指ポッキン者たちに関節炎、関節損傷が多い
という統計的傾向は認められない。しかし、筋力の低下や軟部組織の腫れなどの
傾向はある。しかし、指ポッキン常習者には肉体労働者が多いので、彼らの飲酒
喫煙などの影響も考えなくてはいけない。(2)ポッキン現象によって関節そのもの
には影響はないが、関節の動きには急激な変動がくるので、関連する靱帯や筋肉
に影響があるのは避けられない。しかし逆にストレッチ効果を少ない外力で得られ
る。(3)長期的害はないが、これが好きな奴は無茶して鳴らそうとするので、たまに
急性の損傷を起こすこともあるぞ、というもの。大胆にまとめてしまうと、「長期的影
響はない」として良いようです。
思春期の男の子が「頭が最近ぼーっとする。首をポキポキ鳴らす癖が付いてから
こうなった」と訴えて来る例を筆者は比較的多数例経験していますが、少なくともそ
の行為が直接中枢神経機能に影響する根拠はどこにもありません。首ポッキン行
為(*)は指よりも頭に近い分、伝説化しやすいパワーがあるのかな、と言うところ。
(1999/03/27)