ある小学校にのり子ちゃんというかわいい女の子がいました。また、同じクラスに 体の大きいちょっといたずらっ子のタケシ君という男の子もいました。タケシ君は いたずらをしてクラスのみんなを困らせる事がよくありました。 ある日のことです。タケシ君が急に席を立って、教室の後ろに飾ってあった花瓶 をとって、いきなりのり子ちゃんの頭から花瓶の水を掛けたのです。クラスのみん なも先生もびっくりです。タケシ君はいたずらっ子ですがこんなひどいいたずらは したことがありませんでした。のり子ちゃんはずぶ濡れになって泣いていました。 タケシ君は先生にひどく怒られました。先生と一緒に着替えに行く時です。のり子 ちゃんはタケシ君の横で立ち止まりタケシ君だけに聞こえる小さな声で「ありがと う」と言って教室を出ていきました。 実は、その時のり子ちゃんはお漏らしをしていたのでした。それをかばうために タケシ君は花瓶の水を掛けたのでした。もちろんお漏らしをしたことはタケシ君以 外誰も知りませんでした。