2002/01/20 (日) 14:38:13        [mirai]
「げほげほ……」
	 老女が風邪を引いて伏せっている。
	「まったく、メイドロボがいるって言うのに看病の一つもしやしないんだから……」
	 ぶつくさ言って寝入る。
	 ややあって、ふと目を覚ますと、
	「……?」
	 ととと……と、障子の向こうを影が駆けていったような気配。
	 ふと、いい香りが鼻をくすぐる。
	 枕もとのお盆の上に書置きがある。
	『ババア、
	 いつまでも寝てられるとうっとおしくてかなわないから、
	 はやく良くなるですー』
	 そんな置手紙とともに、枕もとには梅干のちょんと載ったおかゆが湯気を立てている。
	 枕もとの座布団にはさっきまで誰か座ってたかのようなへこみ。
	 身を起こすと、額からぽろりと濡れ手ぬぐいが落ちる。
	「マルチちゃん、口ではあんなこと言って、ずっと見ててくれたんだねぇ……」


『と、このようにおもわずホロリとさせられるエピソードも満載で、
いま、来栖川電工が全国のシルバー世代にお届け! 新型メイドロボ、毒マルチ三太夫!』