2002/04/20 (土) 15:53:28 ◆ ▼ ◇ [mirai]娘は名をおゆうといい、母もやはり越後瞽女でおえいと言った。
彼女は子供の頃は盲目ではなかったのであるが・・・。
おゆう「柏崎の荒浜という辺りを旅してた時です。
おっ母あが野宿すればその分銭こも助かると言ったので
船小屋で寝たです・・・。
目っこが覚めたらおっ母あがいねえんで覗いてみたら
入り口で知らねえ男の人と一緒に寝たった。
そただ事時々あったのであんましたまげねえですども
何かおっ母あがつれえ目に遭ってる様な気がして
ずうっと見とったです( '-')」
弥蔵『俺あ、銭っこもっとらんぞ(^Д^)』
おえい「そんなことええっす('ー')」
弥蔵『こんただ暮らしは、こんただ暮らしはもう反吐が出る。
旦那衆にこき使われて三十になっても嫁っこさももらえねえ。
旅の瞽女に情けかけて貰って・・・。
くそおー!!!おい三国峠どっちだ?(`Д´)』
おえい「三国峠?('ー')」
弥蔵『峠さ越して江戸さ出る。
江戸さ出てどっただ事してでも銭っこ握ってやる。
銭っこさ握ればわしらでも人間になれるぞ(`Д´)』
おえい「江戸は遠いんで一文無しじゃいけねえっす。
わずかだども持っていかせ・・・('ー')」
おえいは貯めていた銭を荷物から取り出そうとする。
こぼれた小判を見て男の目の色が変わった。
おえい「おらの事目明きの様にやさしゅう抱いてくれたんけ、
少しだけんど('ー')」
小屋の中に響き渡るおえいの絶叫!
男の手には棍棒が握られていた。
おえい「この童子だけは助けて。
この童子は目っこが見えんであんたの事は見てないって(;TДT)」
必死におゆうをかばうおえいに、男はとどめを刺し小判を懐に仕舞いこむ。
弥蔵『お前、目っこが見えるんだな。
そっか,母ちゃんの言った通りにしてやる(`皿´;)』
男の名は弥蔵と言った。
本当の瞽女となったおゆうは弥蔵の後を追い江戸を目指したが
あちこちで騙され続け七年かけてようやく江戸にたどり着き、
じょんがらを好んで聞いていた越後訛りの侍を、
弥蔵と間違って襲ったという次第であった。
仇吉「その弥蔵の顔を覚えてるかい?('Д')」
おゆう「あの顔は忘れらんねえ!(#'д')」