2002/05/14 (火) 06:43:40        [mirai]
前日、チームに火をつける会心の同点タイムリーを放ち、お立ち台では若大将・原監督を挑発するなど、
スタメン出場を猛アピールした名手・川相だが、その甲斐あってか、
阪神先発が右腕・安藤だと言うのに6番ながらもサードで今季初の2試合連続スタメン出場。
これにより、試合前から意気上がる巨人の先発・春風亭半ケツはバックに川相がいると言う絶大な安心感から生き生きとした投球で初回、
3人で軽くねじ伏せる上々の立ち上がり。その裏、巨人はニックンの二塁打、今夜の松井さんの四球で二死一、二塁のチャンス。
ここでネクストバッターズサークルに立つ川相の強烈なプレッシャーに怯えた安藤の甘い球を斉藤がセンター前に弾き返して、ニックンが先制のホームイン。
なおも一、三塁の場面で打席に立った川相は初球からセーフティバントを仕掛けるなど、安藤を攪乱すると、
2-0と追い込まれながらも、執拗にカットする得意の粘り強い打撃を展開。
20年目のベテランの老獪な駆け引きにすっかりパニック状態に陥ったルーキー・安藤は恐怖から逃れたいばかりに頭部付近へブラッシュボールを投じるも、
川相は類い希なる反射神経でこれを回避。この際、スタートをきっていた一塁走者・斉藤を刺そうと浅井が二塁へ転送するも、
これが大きく逸れて、センターへ抜ける間に松井さんが生還して、2点目。
続く2回には先頭のガッツな貴公子・仁志のショートゴロを関本が一塁へ大悪送球をかまし、仁志は一気に二塁へ。
続く阿部はストレートの四球を選んで、無死一、二塁。春風亭半ケツはヘッポコバントをかまして、
仁志は三塁で封殺されると、清水,ニックンも倒れて、結局、無得点。
自らのバント失敗でチャンスを逃し、気落ちした春風亭半ケツに対して、直後の3回、
阪神は一死からゼブラ今岡がレフトスタンド最前列に飛び込む6号ソロを放つと、関本のヒット,片岡の死球,アリアスのヒットで満塁のチャンス。
しかし、ここで川相に喝を入れられ、生気を取り戻した春風亭半ケツの前に悠久の若虎・桧山はセカンドゴロゲッツーに打ち取られる最悪の展開で、結局、1点止まり。
その裏、巨人は一死から今夜の松井さん,斉藤の連打で一、二塁とすると、名手・川相がカウント0-2からのエンドランのサインに見事に応えて、
一、二塁間をしぶとく破る職人技のタイムリーヒット! 川相の一打に計り知れないダメージを受けた安藤は
ガッツな貴公子・仁志に対して、タイムリー暴投を犯して、失意のKO。
阪神は4回,5回とヒット性の当たりを連発するも、川相がいる事でリズムに乗っている巨人野手陣の好プレーに悉く阻まれて、走者を出せず。
その裏、巨人は阪神3番手・原田に対して、今夜の松井さんがライト前,斉藤がレフト前と連打を浴びせるも、
松井さんが二塁をオーバーランして、タッチアウトとなると、川相の打席で斉藤が二盗に失敗。
無死一、二塁があっと言う間に二死走者なしと嫌なムードが漂った事で、ここでただ凡退しては流れが変わってしまうと察知した名手・川相は
食らい付く打撃でファールを連発。執拗な粘りに耐えきれなくなった原田はここで川相のインサイドへブラッシュボール。
素晴らしい動態視力でこれをかわしたものの、安藤に続いての過度な内角攻めに珍しくバットを叩き付けて怒りの表情を見せた川相はフルカウントから激振し、
レフトフェンス最上部直撃の二塁打。計り知れないダメージを受けてKOとなった原田に代わり、マウンドには伊藤が上ったが
「川相さんが闘志剥き出しで打っていたからね。ああいうのは次の打者に大きな影響を与えるよ」と奮い立ったガッツな貴公子・仁志は
レフトスタンドへ2号2ランを叩き込み、6点目。6-1の儘、迎えた7回、巨人は一死から今夜の松井さんが
ライト線へ二塁打を浴びせると、斉藤のセカンドゴロの間に三進。
ここで名手・川相の打席を迎えた所で、自分が解説で来ている時に誉めたくもない
川相にこうも活躍されまくっては憤懣やるかたないとばかりに茂雄から圧力がかかったのか、何と1割打者・クレスポが代打で登場。
すると、クレスポはあえなくセカンドゴロに倒れて、松井さんは三塁に釘付けと川相不在の弊害を露呈。
もう2度と川相に頼れないと言う絶望的な状況と化し、突然、不安感に苛まれた春風亭半ケツに対して、
阪神は直後の8回、先頭のゼブラ今岡がレフトスタンドへこの日2本目となる7号ソロを叩き込み、2点目。
しかし、川相の活躍で優位に進めてきたゲームを落とす訳にはいかないとばかりに
巨人はその裏、先頭のガッツな貴公子・仁志がレフト線へ二塁打を浴びせると、阿部の死球,清水の四球で一死満塁とした所で、ニックンが押し出し四球。
更に、マッスル千代の富士がライト前へタイムリー、今夜の松井さんがライトへ犠飛を打ち上げ、この回、3点を追加。
9回からマウンドに上がったアルモンテは川相不在とは言え、大量7点のリードとあって、落ち着いた投球で無失点で切り抜け、ゲームセット。
川相の再三再四の活躍により勝つべくして勝った巨人はついに阪神を勝率で上回り、今季初の首位に浮上。
右投手相手でもスタメンを勝ち取り、見事に期待に応えた名手・川相だが、茂雄の現場介入を感じさせる途中退場にナインは不安を隠せない状態。
試合後のインタビューで若大将・原監督は
「川相はエンドランをやらせれば日本一の選手だと思っていますから!」
と大絶賛したものの、いかに結果を残そうとも世間は茂雄の味方とあって、その表情は苦悩に包まれていた。
一線を退いた途端に清水や川相を使って優勝などされては自分の監督としての資質を疑われる
(とっくに疑われている事など、勿論気付いていない)とあって、
茂雄が若大将・原巨人のV逸を望んでいるのは明白。
陰謀にかけては恐るべき知略を発揮する茂雄だけに、今後もどんな妨害工作があるか分からず、まだまだ予断は許さない状況だ。



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