2002/05/19 (日) 06:14:59        [mirai]
加瀬と岩村が,月番があと5日で終わってしまうのにお艶が捕まらない,
と嘆いているとお艶が見つかったとの報せが岡引から入った.
さて「望郷の旅」のメロオケが流れる中,おでん屋の主人(中谷一郎)が登場.
主人は出前に出るので後を頼むと客に言ってその場を立ち去った.
その屋台の客とはお艶だ.お艶は加瀬と岩村と岡引が来たので,逃げた.
一方,お艶の手下玄蔵(穂積隆信)と八十吉(田畑猛男)は女郎屋でお弓を眠らせた.
そこへお艶が逃げ込み,お弓と服を取換えた.やって来た加瀬と岩村は,
お弓をお艶と間違えて召し捕ってしまった. 

お弓は何かの間違いだと言ったが,加瀬と岩村は信用しなかった.
お艶の手口がこうだったからだ.まず田舎出の百姓娘に化けて信用させ,
奉公人として店に入る.そしてその後,店に手下を手引きする.
三原屋でお艶は武州熊谷出のおたかと名乗っていた.
そこへ主水が囚人を引き取りにやって来た.
主水「これ,お艶ですか?」
お弓「違います.」
その囚人が「お艶」だと知った主水はがっかりするのであった.
お弓は「違います.」と何度も何度も叫んでいた. 

一方,捨三は臍繰りを数えていた.だがお弓を身請けするには足りなかった.
そこへ主水がやって来た.主水に捨三は仕事はないかと訊いた.20両要ると言う.
どうしたんだと主水が訊くと,捨三は,信州の追分に住んでいた頃の
幼馴染お弓とばったり会った話をした.
捨三は主水を連れてお弓のいる女郎屋へやって来た.
早速捨三はお弓を指名し,主水は別室に控えることにした.
さて「お弓」は身請けされることになっていた.捨三は「お弓」が身請けされると知って驚いた.
やって来た「お弓」は昨日のお弓とは違い,捨三には他人行儀だった.

お艶「あのう,お客さんにはご贔屓になりまして…」
しかも煙管の使い方が巧みだった.
捨三「贔屓?」
お艶「あたし,この度,身請けされることになりましたので.」
その様子を主水は盗み見ていた.
捨三「なんだって,おい.お弓ちゃん.いったい誰に身請けされたんだよ.
いけねえよ,お弓ちゃん.こんなとこに来る客なんか,ろくな奴じゃないんだから.」
だが「お弓」ことお艶は捨三を冷たく突き放した.
そこへ「お弓」を身請けした人(穂積隆信)がやって来て,
「お弓」を連れて行ってしまった.勿論,身請けしたのはお艶の手下玄蔵だ.
主水は大笑い.
捨三「信じられねえなあ.あのお弓ちゃんが…旦那,ありゃまるで別人だよ.」 
それを聞いた主水も怪訝な顔をしていた.
主水「あれ,俺,あの女,どっかで見た気がすんなあ.」
そこへ代わりの女郎がやって来た.「お弓」の代わりに来た女郎は
前の晩に「お艶」が捕まった話をした.それを聞いた主水はピンと来た.
「お艶」の声「違います.あたしはお弓です.違います.」
主水「捨三,ありゃ,おめえが言うように,やっぱり人が変わっちまったんだ.」 
捨三は怪訝な顔.
主水「この煙管だ.山出しの女があんな器用な煙草の吸い方出来るもんかい.
おめえの言う通り別人だなあ.」 

明後日の朝に「お艶」が打ち首になると決まったと聞き,捨三は半狂乱になった.
そのとき,やいと屋が飛んでもない作戦を思いついた.
牢の中にいるお弓とお艶を刷りかえるのだ.主水は渋ったが剣之介は乗り気だ.
捨三も懇願した.沈黙が流れた後
主水「そうかあ.しょうがねえなあ.勝負賭けてみるか.」
捨三「旦那.」
主水「剣之介,お歌,俺に預けてくれ.」
剣之介は渋ったが
やいと屋「おい,一か八かの大勝負だい.捨三.仕事料もらうぜ.」
捨三「え? あっしから取るんで?」
やいと屋「当たり前だ.仲間内でも銭は銭.たっぷり弾んでもらわなきゃ,
あたしゃ似合わねえ.」
こう言ってやいと屋は捨三の臍繰りを分捕って分けた.
剣之介はしっかりお歌の分を請求した.
主水「明日の晩は宿直だ.段取りは俺がつける.」