弟と同じ遺伝子を継いでいる僕に心臓病の疑いがかけられたのは、いつのことだったろうか。 弟との絆は、あまりに色濃く僕の体に焼き付いていた。 いつの日か、僕も、もしかすると弟と同じようにして二度と覚めない眠りについてしまうのかも知れない。 幼い日の願いはあまりに残酷に、僕の人生を蝕んでいる。 でも。 僕はもう一人の自分の死を幼い頃に見ている分、死に対して落ち着いた考えを持てたような気がする。 決して怖くはない。 一度しかない人生、どこまで行くことができるかは分からないけれど。 僕は精一杯、生きようと思う。 生きて生きて生き抜いて、いつの日か眠りについたなら、 紙飛行機に乗って、弟に会いに行こう。