2002/05/24 (金) 11:05:52 ◆ ▼ ◇ [mirai]ビンスは時々、随分とラフなジョークを仕掛けてくることがある。
しかし、オレは緊張してしまう。他のどんな人のジョークであろうとも、
必ずジョークで返すくらいの余裕は常にあるのだが、
ことビンスとなるとそうはいかない。
もう、しどろもどろのカチンコチンになってしまう。
だが、そんなオレの反応を目の当たりにしても、ビンスはオレのことを
「ヘンなヤツだ」などとは思っていないはずだ。
おそらくほとんどの人がオレと同じ状態になってしまうだろうからだ。
先日、ポーリーと二人で、会場の通路で立ち話しをしていた。
すると向こうから、怒り心頭の顔をしたビンスがツカツカと歩み寄ってくるではないか。
オレはてっきり、俺達の横を通り過ぎていくものとばかり思っていたのだが、
いきなりオレの正面に立ち塞がって
「TAJIRI!このトラブルメーカーめ!貴様はクビだ!!」と叫んだのだ!
オレは一瞬で全身の血の気がひいた。身体中の毛穴が開いて、
そこからやたらとサラサラした血液がサー-と流れ出ていくような感じがした。
この感覚は大学二年の春休みに、
メキシコとグアテマラの国境の山道を夜中に歩いていて、
ふいに「黒豹に注意」という看板が目に飛び込んできた時以来である。
しかし、一瞬こっちの様子をうかがうようなビンスの表情を見逃さなかったオレは、
それがジョークであるとなんとか判別。
すぐさまポーリーに「またECWを復活させてください!」と懇願する。
はたしてビンスは「合格だ!」とばかりに「ガハハハハ!!」と笑いながら
立ち去っていった。ポーリーが横にいたからなんとか余裕を保てたものの、
一人だったらショック死してしまったかもしれない。
ビンスは冗談ひとつで人を恐怖のどん底に叩き込むこともできる、
モノ凄いお方なのだ。