奪ったばかりのベルトに、橋本が冷めた視線を投げかける。 DDTでヘルナンデスを下し、 初獲得したタイトルには、まったく興味を示さなかった。 そこへ小笠原が突然、リングイン。一騎打ちを直訴された橋本は、おもむろにマイクをつかんだ。 「おい、本当にやる気があんのか。オレとやったら、おまえの格闘人生は終わりだぞ。 よし、やったろうじゃねえか!」。破壊王が、ついに小笠原との異種格闘技戦を了承。 決戦の舞台は7・7両国国技館が決定的。 昭和58年の極真第16回全日本選手権準優勝の猛者と、雌雄を決するときがやってきたのだ。 因縁の発端は、ZERO-ONE1・6後楽園ホール。 橋本がネイサン・ジョーンズを下して花道を引き揚げる際、 観客として観戦していた小笠原から「何だ、あのキックは。ハエが止まるじゃねえか」と侮辱された。 橋本戦を目指す元極真空手城西吉祥寺支部支部長は、 ZERO-ONEで実績を重ね、念願の橋本戦にこぎつけた。