邪恋大迷惑

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脚本国弘威雄　監督松本明

昔の時代劇は残酷シーンが多いのだが、この邪恋大迷惑もヒドいおはなしである。
吉田日出子扮する深川芸者に付きまとうストーカーが十手持ちの伊藤雄之介。
吉田の旦那を無理矢理に島送りにしたうえに、手込めにしようと襲いかかった
あげくが吉田の失明。吉田は復讐しようと護身術まで身につけるが、
結局は幼い娘を残して返り討ちにされる。伊藤雄之介はおっと勿体ないと、
まだなま温かい体に襲いかかって思いを遂げる。酒の澗を付けながら、
屍姦した女の躯の自慢話を仲間にしているうちに、
助け人に襲撃されて親玉の同心今井健二（準レギュラーか？）もろとも御陀仏。
というお話なのだが、テレビで屍姦はまずいだろう。なんぼなんでもさあ。 

今回より登場のライダーヴイスリャーこと宮内洋は、
後期必殺のジャニーズ系のお兄ちゃん達と違い、ちょっとずんぐりして骨太なところがいい。
関係ない女が巻き込まれて斬られるのに目もくれない非情さも買いだ。
もっとも、このあと山村聡の清兵衛さんに頭領、頭領と懐きまくるのだが（その辺も可愛い？）。

変態老人伊藤雄之介をお仕置きするのはキセルの平内さん、中谷一郎。
伊藤の馬面と中谷の坊主頭がアップになる鍔迫り合いは一見の価値があるド迫力。
両者とも水木しげる描く漫画のキャラみたいな顔して、鼻息も荒く死闘を展開してくれる。
仕置を終えた田村高広の中山文十郎が、
伊藤が付けてた燗酒がちょうど良い加減になってたのを美味そうに飲むシーンも、
酒飲みにはおおっいいねえと思わせる。