どんな人間でも絵を描こうとしたことはある。だから絵が完成していく過程という ものをある程度想像でき、自然と敬意も払えて、あまり軋轢というものは起こらな い。だが一方、生まれてから一度もプログラムを書いたことのない人間というの は、そこら中にゴロゴロいる。そういう人間にとって、プログラムを書くという作 業は自分の経験の何の延長上にもない。だからプログラマと対したとき、そういっ た人らは、自然と必要最低限の常識すら踏まえない発言を行ってしまう。そして、 それに対してプログラマが間違いを指摘したり、怒ったりすると、「そんなことは 知らなくて当たり前だろう」という態度に出て、ますます溝が深まる。