2002/05/29 (水) 17:31:23 ◆ ▼ ◇ [mirai] さて、たいがいの本では、ロボトミーの項目は今の私の説明のように「今ではほ
とんど行われていない」と結ばれているのだが、ただひとつ、講談社の精神医学大
事典だけは異彩を放っている。
どういうわけか、やたらとロボトミーに肯定的な表現ばかりが目につくのだ。薬
物療法の効果にも限界があり、危険の少ない新しい術式の登場にともなってロボト
ミーも捨てがたい治療法として再認識されるようになってきた、とか。1977年の
アメリカの報告では、あらゆる治療が効かなかったのに脳手術ではよくなったもの
が78%もいてロボトミーは有効との結論が出された、とか。現在も日本を除く欧米
諸国、ソ連やチェコでも行われていて3年ごとに国際学会も開かれている、とか。
それもそのはず、この項目を執筆した広瀬貞雄という人は日大医学部の名誉教授
で、百数十例ものロボトミー手術を執刀し、自ら眼窩脳内側領域切除術という新術
式を開発したほどのロボトミーのエキスパートだったのですね。
事典の項目といえど、執筆者の立場によってバイアスがかかっている場合がある
から辞書を引くときには注意しましょうね、という話。