> 2002/06/08 (土) 02:10:00 ◆ ▼ ◇ [mirai]> その日、千鶴さんから電話があった。
> 初音ちゃんが風邪をひいたって内容で、それ以外は、何てことない内容だった。
> 気が付くと、30分も世間話を続けている。
> 「でさぁ、耳かき買ったんだ」
> 「耳かきですか?」
> 「うん、でも、ただの耳かきじゃないんだぜ」
> 俺は、ふっふっふと得意げに笑った。
> 「えっ、どんな耳かきなんですか?」
> 千鶴さんは興味津々だ。
> 「聞いて驚かないでよ、千鶴さん」
> 「は、はい」
> ゴクリとつばを飲む千鶴さん。
> ふふっ、なんと、その耳かきは・・・
> 「光るのさっ!」
> 「光るんですか!?」
> 「光るんだよっ!」
> 「・・・」
> 「・・・」
> 「ええっと・・・」
> ちょっと、説明不足だったな
> 「耳かきの先がね、光るんだよ、ホラ、そうすると、よく見えるだろ」
> 「・・・」
> 「・・・」
> 「ああ、なるほど!」
> 千鶴さんは、やっと納得したようだ。
> そして、それから・・・
> 「スゴイですねっ!」
> と言った。
> 「うん、スゴイよ」
> 「すごいすごい」
> 「ね?」
> 「はい」
> 実際、これは大発明だな、と思う。
> 昔からあったらしいが、今まで知らなかった。
> 人生を損した気分だ。
> 「でも、耕一さん?」
> 「ん? どうしたの?」
> 「あの・・・耳が明るくなるんですよね?」
> 「うん、そうだよ」
> 「誰が、中を覗くんですか?」
> 「えっ!?」
> あれ?
> 「耕一さん、一人暮らしですよね?」
> そうだよな、俺、一人暮らしだよな・・・
> 「自分で、自分の耳の穴を見るんですか?」
> 「・・・」
> 「・・・」
> 「ホ、ホラ・・・鏡とかで・・・」
> 鏡で自分の耳の穴を覗き、よく見えると喜ぶ俺。
> 一人ぼっちの部屋で、耳かきが光ると、喜ぶ俺。
> 「・・・」
> 「・・・」
> 「・・・」
> 「・・・千鶴さん、ごめん・・・俺・・・もう、電話切る」
> 「えっ、どうかしましたか?」
> 「ん・・・・ちょっと・・・・」
> 「耕一さん? 耕一さ・・・・」
> かちゃ・・・
> 「う・・・ううっ!」
> 俺は、1人で泣いた。
全文引用UZ3weeeeeeeeeeeeeeeeoidfhnsbjkKJN!!!!
参考:2002/06/08(土)02時09分10秒