~夏の虫~ 人影もない夏の午後 白く灼けつく公園に 息をひそめてナナフシ 一つ手に取り見詰める この一筋の細い足 生きているのか、本当に? 静まり返る夏の午後 午唾貪る木の枝に 足をもがれたナナフシ 幾つも幾つも並べたら、 夏が見せる幻燈 撫でるナナフシの節 いとおしむように 慈しむように ナナフシそっと握りつぶす 折り畳まれる刹那激しく 手の掌を掻く無数の足は やはり生き物だったか ナナフシ色の手の上に 空を見上げて夏の虫 触角震わせ地に落ちる ナナフシの手の掌ナナフ シの節ナナフシの躰ナナ フシの目ナナフシの右足 ナナフシの耳ナナフシの 頭ナナフシの首ナナフシ の左目ナナフシの羽ナナ フシの親指ナナフシの……………ねぇ、