昔々、ある島に二人の兄妹がいました。 二人の両親は数年前の嵐で死んでいたので、兄妹は二人っきりで暮らしていました。 ある日、妹が言いました。 「兄さん、私結婚します」 それを聞いた兄は逆上しました。 「一体どこの誰とだ!ぶっ殺してやる!!」 兄は、妹に恋をしていたのです。 兄の怒りように恐れをなした妹は、こう言いました。 「わかったわ兄さん、あの人を殺して。そしたら私は兄さんと一緒にいる」 それを聞いて喜んだ兄は、刀をもって外に飛び出していきました。 「まって兄さん」 妹が呼び止めます。 「私があの人を呼びます。あの人は馬に乗ってくるでしょう。兄さんは途中で待ち伏せしていてください」 「そうか、わかった」 兄はそういうと、近くの草むらに隠れました。 しばらくして… 馬の足音が聞こえてきました。 兄は刀を抜き放ち、草むらから飛び出て切りかかりました。 ズバッ 馬から落ちた男のもとへ、兄は近づいていきました。 そして驚きました。 なんと、兄が斬ったのは男ではなく、妹だったのです。 そして