2002/07/11 (木) 00:12:46 ◆ ▼ ◇ [mirai]阪神「もう、いいよね」
三位「ん? なにがや?」
阪神「わたし、がんばったよね」
三位「なに、言うてんるんや?ペナント終了までまだあるで手、抜いたらあかんで」
三位「阪神やったら、出来る。もっと頑張れる。優勝までいける」
阪神「…もうゴール、していいよね」
阪神「後、三勝、そこまで辿り着いたら、もうゴールしていいよね」
三位「そか、もう疲れたか」
三位「よし、優勝したら、甲子園に帰ってビールかけでもして、遊ぼか」
阪神「ううん…わたしのゴールずっと目指してきたゴール」
三位「…は?わからへん。阪神がなんのこと言うてるか、うち、わからへん」
阪神「わたし、がんばったから、もういいよね、休んでも…いいよね」
阪神「には…は…」
三位「え…あんた…まさか…負けたんか?ほんまは…負けたんか?」
阪神「……」
三位「嘘や…嘘や、言うてや…これからあんた…元気になって行くんやろ?」
三位「悪い夢は終わったはずやろ…?せやろ…?な、阪神…嘘や言うてや、阪神」
阪神「ごめんね、三位さん…でもわたしは、ぜんぶやり終えることができたから…」
阪神「だから、ゴールするね…」
三位「あかん…まだ…頑張るんや、阪神は、これから、まだまだ頑張るんや…」
三位「ゴールは、まだまだ先や…ずっと先にあって」
三位「こんなところ(三位)にはあらへん…あらへんはずや…」
阪神「ゴール…するね」
三位「あかん…阪神きたらあかん…ゴールしたらあかん…始まったばかりやんか…」
三位「去年、やっとスタートきれたんやんないか…」
三位「ずっときれへんかったスタートやっ…これから取り戻してゆくんや…」
三位「十五年前、始まっていたはずの幸せな暮らし…」
三位「これから、阪神は取り戻してゆくんや…」
三位「打って、守って、取り戻してゆくんや…せやのに…せやのに」
三位「なんでもうゴールなんや…まだまだある…まだこれからやんか…」
三位「なにもかも、始まったばかりやんか…阪神の幸せは始まったばかりやんか…」
阪神「ううん…ぜんぶ、した、なにもかも、やりとげた」
阪神「もうじゅうぶんなぐらい…このペナントに一生ぶん楽しさがつまってた」
阪神「すごく楽しかった」
三位「あかん、ちがう…まだまだや…これからや…阪神、なんもしてへん」
三位「野村監督になって、なにひとつしてへん…」
三位「うち、たくさんしたいことあるんや…大好きな阪神と」
三位「たくさんしたいことあるんや…全部これからなんや…」
阪神「三位さんと、たくさん思い出つくった」
阪神「いっしょに昨シーズン終えたり、前半戦折り返したりした」
三位「そんなん…これからも、いっぱいしたる」
阪神「オールスターもいっしょに出た」
阪神「このフランクリンさんも、パリーグからつかまえた、宝物できた」
三位「まだ来年もあるし、再来年もある…」
阪神「もう一度だけがんばろうと決めたこのペナント…野村監督さんと出会った」
阪神「あの日からはじまった、ペナント…いろいろなことがあったけど…」
阪神「わたし…がんばって、よかった、つらかったり、苦しかったりしたけど…」
阪神「でも…がんばって、よかった、ゴールは…幸せといっしょだったから」
阪神「わたしのゴールは幸せといっしょだったから」
阪神「ひとりきりじゃなかったから…」
三位「そうや。阪神はもうひとりきりやない、ずっと、うちと一緒や」
三位「せやから…阪神…」
阪神「だから…だからね…もうゴールするね…」
三位「あかん…これからやっ…これからや言うてるやろっ…」
(とて…)
三位「阪神…きたらあかんっ!これからや言うてるやろっ!」
(…とて…)
(……とて。)
阪神「ゴールっ」
あのうみーー、どこまでもーーー