休日を柏木家ですごすことにした俺は、その日―――

『黄色いネズミはいいねぇ・・・ジャポンが生み出した、最高の文化だよ』

　朝からやってる、春休みアニメスペシャルを見ながら、皆より少し遅れた朝食をとっていた。
「ひでぇアニメ・・・」
　前に見たときは、もっと面白かったけどなぁ・・・ま、暇つぶしに見てただけだったが。
　心の中で無礼な批評をしながら、足で新聞をめくる。

　ペラリ

「おう、やはり株は小豆が基本か」
　やっぱり適当なことを言う。
（ヒマだな・・・）
　千鶴さんは仕事。
　梓は部活。
　初音ちゃんは、友達と遊びに出かけたらしい。
「・・・」　
　残っているのは、楓ちゃんだけなんだが・・・
「なぁ、楓ちゃん・・・さっきから、なにやってるんだ？」
　楓ちゃんは、先ほどから広告の裏に、「ああでもない、こうでもない」と、なにやら書き込んでいるようだった。
（楓ちゃんって、鉛筆の握り方がへたくそだな・・・）
　とか思って見ていると、
　
「出来ました・・・」

　楓ちゃんは、なんだか静かに、
「くいずです」
　と言った。
　クイズ？
　いぶかしむ俺に、楓ちゃんは薄く微笑み、先ほどの広告を置いた。

「線でつないでください」

　そう言って、にっこり。
　俺の前に並べられたそれは・・・




千鶴・　　　・凶暴
梓 　・　　　・可愛い
楓　 ・　　　・偽善
初音・　　　・餓鬼




「・・・」
「・・・」
「こ、コレを線で結べば・・・いいのかい？」
　楓ちゃんは、俺の目をみたままコクッと頷いた。
「・・・」
「・・・」
「・・・」