>  2002/08/16 (金) 21:02:59        [mirai]
> 「初音ちゃんって、本当にいい子だよなあ」
>  俺の言葉に、千鶴さんは頷いた。と同時に、表情を曇らせる。
> 「でも、反対に心配になってしまいます」
> 「どして?」
> 「だって、あの子ったら反抗期の片鱗すら見せないし・・・」
>  なるほど
> 「そうだね、そりゃ心配だ」
> 「でしょう」
> 「反動がきたりして」
> 「反動?」
> 「たまった鬱憤が、ある日前触れもなくドカン!」
> 「ドカン!ですか?」
> 「そ、いきなりグレる」
>  初音ちゃんは、『いい子』すぎる。ある意味、それは健全とはいえないかもしれない。
>  俺がそう言うと、千鶴さんは、そうですよね、と言って
> 「ちょっと、変ですよね」
>  と結んだ。
> 「き、聞いてしまった」
>  偶然、私は千鶴お姉ちゃんと、耕一お兄ちゃんの会話を聞いてしまった。
> 「私、変だったんだ・・・」
>  知らなかった。
>  すごくショック。
>  しかも、しかもしかもしかもっ、このままだと、私はグレちゃうらしい。
>  非行に走って、お姉ちゃんたちに迷惑をかけちゃうらしいの。
>  それはダメ!そんなの絶対よくないよ!と、いうわけで・・・・
> 「初音は悪いことをします!」
>  でも・・・悪いことって、何をどうすればいいのかな?
> 「で、何でのアタシのところに来るわけ?」
>  梓お姉ちゃんが、半眼でそう言った。
> 「だって」
> 「だって?」
> 「梓お姉ちゃんって、千鶴お姉ちゃんに怒られてばかりだし、耕一お兄ちゃんは梓お姉ちゃんのこと『粗野で
> 乱暴で凶悪な野猿で、しかもレズっ気があるド変態』とか言ってるし、それに・・・」
>  私が口篭もると、梓お姉ちゃんが不自然な笑顔で促した。
> 「それに、なに?」
> 「私も、梓お姉ちゃんって素行が悪そうだなーって・・・・」
>  はっ!?梓お姉ちゃんすごい顔!そうか!
> 「梓お姉ちゃん、今の顔、どうしようもない悪党って感じがするよ!」
> 「出てけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
>  ううっ、梓お姉ちゃん、何も蹴らなくてもいいのに。私はお尻をさすりながら途方に暮れた。
>  梓お姉ちゃんが駄目となると・・・・耕一お兄ちゃんは?
>  う~ん、お兄ちゃんは助平だから、悪いこと教えてなんていったら何されるか・・・
>  千鶴お姉ちゃんは?ダメ!何故かわからないけれど、それだけはいけない気がする!
>  じゃあ・・・・、楓お姉ちゃん?でも、楓お姉ちゃんは悪いことなんて・・・・・
> 「初音・・・」
> 「きゃあっ!」
>  びっくりして振り返った私の目の前には、楓お姉ちゃんがいた。楓お姉ちゃんは、私の顔を見ながら。
> 「初音は・・・」
>  いいながら私の横に回り込む。
> 「悪いことが・・・」
>  後ろに回り込んだ楓お姉ちゃんは、耳元で
> 「したいのかにゃ?」
>  と、囁いた。
> 「え、えっと・・・・」
> 「悪いことしたいのかにゃ?」
> 「し、したいにゃ」
>  思わず言った私を見て、代えでお姉ちゃんはくすくす笑った。
>  そうして、懐から小さな紙の箱を取り出し、私に
> 「初音にあげる」
>  と言った。箱には、マジックで
> 『全自動悪いことましーん在中 取り扱い注意』
>  赤いマジックで
> 『ワレモノ』
>  と書いてあった。全自動悪いことましーんって、一体・・・・
> 「初音、開けてみて」
> 「う、うん・・・・」
>  私は、恐る恐る蓋に手をかける・・・そして、そおっと開ける。
>  その時!
>  ビカーーーーーーーーーーーーーッ!!
> 「眩しい!」
> 「初音、目をそらさない」
> 「楓お姉ちゃん!眩しいよ!」
> 「ちゃんと見るにゃ」
>  私は、眩しいのをこらえて箱の中を覗く
>  あっ!
> 「か、楓お姉ちゃん!これは!?」

これは労作だな

参考:2002/08/16(金)21時02分06秒