> 2002/08/16 (金) 21:03:26 ◆ ▼ ◇ [mirai]> > 「初音ちゃんって、本当にいい子だよなあ」
> > 俺の言葉に、千鶴さんは頷いた。と同時に、表情を曇らせる。
> > 「でも、反対に心配になってしまいます」
> > 「どして?」
> > 「だって、あの子ったら反抗期の片鱗すら見せないし・・・」
> > なるほど
> > 「そうだね、そりゃ心配だ」
> > 「でしょう」
> > 「反動がきたりして」
> > 「反動?」
> > 「たまった鬱憤が、ある日前触れもなくドカン!」
> > 「ドカン!ですか?」
> > 「そ、いきなりグレる」
> > 初音ちゃんは、『いい子』すぎる。ある意味、それは健全とはいえないかもしれない。
> > 俺がそう言うと、千鶴さんは、そうですよね、と言って
> > 「ちょっと、変ですよね」
> > と結んだ。
> > 「き、聞いてしまった」
> > 偶然、私は千鶴お姉ちゃんと、耕一お兄ちゃんの会話を聞いてしまった。
> > 「私、変だったんだ・・・」
> > 知らなかった。
> > すごくショック。
> > しかも、しかもしかもしかもっ、このままだと、私はグレちゃうらしい。
> > 非行に走って、お姉ちゃんたちに迷惑をかけちゃうらしいの。
> > それはダメ!そんなの絶対よくないよ!と、いうわけで・・・・
> > 「初音は悪いことをします!」
> > でも・・・悪いことって、何をどうすればいいのかな?
> > 「で、何でのアタシのところに来るわけ?」
> > 梓お姉ちゃんが、半眼でそう言った。
> > 「だって」
> > 「だって?」
> > 「梓お姉ちゃんって、千鶴お姉ちゃんに怒られてばかりだし、耕一お兄ちゃんは梓お姉ちゃんのこと『粗野で
> > 乱暴で凶悪な野猿で、しかもレズっ気があるド変態』とか言ってるし、それに・・・」
> > 私が口篭もると、梓お姉ちゃんが不自然な笑顔で促した。
> > 「それに、なに?」
> > 「私も、梓お姉ちゃんって素行が悪そうだなーって・・・・」
> > はっ!?梓お姉ちゃんすごい顔!そうか!
> > 「梓お姉ちゃん、今の顔、どうしようもない悪党って感じがするよ!」
> > 「出てけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
> > ううっ、梓お姉ちゃん、何も蹴らなくてもいいのに。私はお尻をさすりながら途方に暮れた。
> > 梓お姉ちゃんが駄目となると・・・・耕一お兄ちゃんは?
> > う~ん、お兄ちゃんは助平だから、悪いこと教えてなんていったら何されるか・・・
> > 千鶴お姉ちゃんは?ダメ!何故かわからないけれど、それだけはいけない気がする!
> > じゃあ・・・・、楓お姉ちゃん?でも、楓お姉ちゃんは悪いことなんて・・・・・
> > 「初音・・・」
> > 「きゃあっ!」
> > びっくりして振り返った私の目の前には、楓お姉ちゃんがいた。楓お姉ちゃんは、私の顔を見ながら。
> > 「初音は・・・」
> > いいながら私の横に回り込む。
> > 「悪いことが・・・」
> > 後ろに回り込んだ楓お姉ちゃんは、耳元で
> > 「したいのかにゃ?」
> > と、囁いた。
> > 「え、えっと・・・・」
> > 「悪いことしたいのかにゃ?」
> > 「し、したいにゃ」
> > 思わず言った私を見て、代えでお姉ちゃんはくすくす笑った。
> > そうして、懐から小さな紙の箱を取り出し、私に
> > 「初音にあげる」
> > と言った。箱には、マジックで
> > 『全自動悪いことましーん在中 取り扱い注意』
> > 赤いマジックで
> > 『ワレモノ』
> > と書いてあった。全自動悪いことましーんって、一体・・・・
> > 「初音、開けてみて」
> > 「う、うん・・・・」
> > 私は、恐る恐る蓋に手をかける・・・そして、そおっと開ける。
> > その時!
> > ビカーーーーーーーーーーーーーッ!!
> > 「眩しい!」
> > 「初音、目をそらさない」
> > 「楓お姉ちゃん!眩しいよ!」
> > 「ちゃんと見るにゃ」
> > 私は、眩しいのをこらえて箱の中を覗く
> > あっ!
> > 「か、楓お姉ちゃん!これは!?」
> これは労作だな
全引U!!!!
参考:2002/08/16(金)21時02分59秒