投稿者:_ 2002/08/25 (日) 02:33:09        [mirai]
 今日もバーで呑んでいるとお揃いのシャツを着た一団が入ってきた。がやが 
やとさわがしい。一体玉蹴りなどどこが面白いのか、呑むなら呑むで味わって 
呑みやがれ。 

 目の前にピーナッツの小皿がポンと出された。顔を上げるとオヤジは横を向 
いて視線を合わせない。黙って俺の愚痴を聞いていたようだ。俺は下を向いて 
ぶつぶつとひとりごちていく。 

 俺はバスのルートを間違えたことはないし、時間はきっちり間に合わせる。 
乱暴な運転で客を酔わせたこともほとんどない。実際、会社も俺を指導的なポ 
ジションに着かせた。今の若いのはだらしない。香水を使いすぎて客からクレ 
ームをもらったり、団体客の女の子にちょっかい出して電話がひっきりなしに 
かかってくるだの、男のくせにピアスの数が自慢だの……そんな奴ばかりだ。 

 だのに会社は、そんな奴らより俺の方が問題なんだそうだ。出がけに一杯引 
っかけるのが何故悪い? このクソ暑いのに、そうでもしないと仕事に気が入 
らねぇ。 

 オイ、オヤジ。おかわりだ。大丈夫。今日は客は乗せてねぇ。