夢。

 　　　　　　　　　　　　　夢を見ている。

 　　　　　　　　　　　　終わりのない夢。

 　　　　　　　　　　　　　毎日見る夢。

 　　　　　　流れているのかさえわからない時間の中で・・・。

 　　　　　　　　　いくつもの夢を漂いながら・・・。

 　　　　　　　　ずっと、来るはずのない人を待っていた。

 　　　　　　　　　　顔のない人達が行き交う街で・・・。
 　　　　　　
 　　　　　　　　　ベンチにひとり、ぽつんと座って・・・。

 　　　　　　　　　ずっと・・・待ち続けていた・・・。

 　　　　　　　　　　　空が白み始めてから・・・。

 　　　　　　　　　　　空が赤く染まって・・・。

 　　　　　　　　　やがて・・・真っ暗になるまで・・・。

 　　　　　　　　 そして・・・最後は同じ夢に還ってくる。

 　　　　　　　　 ずっとずっと待ち続けて・・・。

 　　　　　　　　どれくらいの時を待っていたのかさえ・・・。

 　　　　　　　　わからなくなったころに・・・。

 　　　　　　　　・・・ボクは、あの人と再会した。

 　　　　　　　　 おぼろげな記憶の中のあの人と・・・。

 　　　　　　　　　少しもかわってないのが嬉しかった。

 　　　　　　　　 何気ないやりとりが・・・嬉しかった。


 　　　　　　　　 だけど・・・。

 　　　　　　　　 ボクは、すべてを思い出した・・・。

 　　　　　　　　 そして、得た物は・・・。

 　　　　　　　　 絶望。

 　　　　　　　　 そして・・・。

 　　　　　　　　 悲しい夢を見た。

 　　　　　　　　 雪で白く染まった公園。

 　　　　　　　　 ・・・あの人が・・・泣いている。

 　　　　　　　　 大切な人を失って・・・。

 　　　　　　　　 沢山の・・・。

 　　　　　　　　 涙をこぼして・・・。

 　　　　　　　　 涙をぬぐってあげたくても・・・。

 　　　　　　　　 ボクには・・・何も出来ない・・・。

 　　　　　　　　 ・・・だけど・・・。

 　　　　　　　　 彼女なら・・・。

 　　　　　　　　 きっと、あの人の笑顔を取り戻してくれる。

 　　　　　　　　 もう、あの人の泣き顔は見たくない。

 　　　　　　　　　 ボクに・・・笑顔をくれたあの人の・・・。

 　　　　　　　　 だから、ボクは願う。

 　　　　　　　　 　 ボクに残された・・・。

 　　　　　　　　 たったひとつの希望・・・。

 　　　　　　　　 ひとつだけ叶えられる、最後の願い。

 　　　　　　　　 ボクの願いは・・・。