2002/09/28 (土) 18:55:43 ◆ ▼ ◇ [mirai] 雨が降っている。
昔、雨の日に妹を一つの傘で帰ったことがある。
あいつは僕と違ってそそっかしいところがあるからすぐに忘れ物をする。
ここまで似ていない兄妹もなかなかいないだろう。
あいつは物覚えがとても悪い。当然テストの成績もボロボロだった。
夏休みになるといつも決まって宿題を押しつけるし、あまつさえ僕に日記を書けという。
冬休みだってそうだ。困った妹。
最近は妹を馬鹿だっていう奴もいる。兄としては放って置けない。
雨が降っています。
昔、雨の日に兄と一つの傘で帰ろうと強請られたことがありました。
一緒に帰らないと私が貰われっ子だって言いふらすだって。馬鹿みたい。
あの人と血が繋がってないと思うとせいせいする。似なくて良かった。
何度も何度もダメと言ってるのに、兄はよく部屋に忍び込んできました。
学校が休みになるといつも、宿題みてやろうか?なんて言い訳をして私の体に触ろうとしました。
気持ち悪い。死ねばいいのに。
最近は兄を気狂いだっていう人もいます。病院にいれてあげたい。
そろそろ雨も止み始めた。
私が窓の外を見ると、ある兄妹がつぅと横切った。
この兄妹はいつも一緒にニヤニヤと笑いながらこの道を通る。
噂ではこの兄妹は血が繋がっていないというが、これほど似ている兄妹も珍しい。
いや、似ていないのだろうか?彼等の顔は障害者固有の顔立ちをしているが、性格はまるで違うようだ。
兄のほうはいつも空を見上げて歩く。妹は俯いて地面を見下ろして歩く。
兄のほうは何度か嬉しそうに奇声を上げ。妹は怒った声で怒鳴り散らした。
両親は大変だろうななんて、雨の日にぼんやりとそんなことを考えた。