3年前、金融屋やっていた。 いつものように追い込み行ったら、
親はとっくに消えていて子供が2人置いてかれてた。 
5歳の男の子と3歳の女の子。服ボロボロで風呂も入ってなかった。
漏れはまだ新米で、周りの兄さん達と違い、顔も怖くなかったらしく 
家に行ったらすぐ下の女の子になつかれた。 
「いつから親はいないんだ？」って聞いても答えない。 
「何食ってたんだ？」って聞いたら、上の子は下向いて泣いた。 
下の子が「こっち」って手を引いて裏庭に漏れを連れていった。 
破れた金網を通って出た所は小学校の裏庭だった。 
「あのね、みーちゃんこれ食べたの」って池を指す。嫌な予感がした。 
だってさ、その池って金魚が泳いでるんだよ。 
2人を抱きかかえて家に戻ると、テーブルに小さいボウルと茶碗。 
「お前ら…金魚食ってたのか…」って聞いたら「…うん」って。 
すごいやるせなくて涙出て、漏れもその場にいた兄さん達も泣いた。 
すぐに兄さん達がたくさん食べ物と洋服を買ってきた。 
近くの銭湯で体を洗ってやった。 
その後、漏れらじゃどうしようもないから施設に連絡を入れた。 
連れてかれる時に「お兄ちゃんありがとう」って言ってた。 
…全然ありがとうじゃねーよ…漏れ達がお前らの親を追いつめたのに。 
漏れを含めて何人かは、この後仕事を抜けた。 
ただ救われたのは、こいつらの親がきちんと出てきた事だった。