>  2002/11/19 (火) 15:40:55        [mirai]
> > リレー小説やろうよ(;´Д`)
>  日差しが眩しい。
> 初冬に入ってずっと寒い日が続いていたけれど、今日はめずらしく暖かくて
> 寒くなったら困るからと厚手のセーターを着てきた事を後悔する。
> 駅前のベンチに座りながら駅の出入り口を眺めると、この街も余り大きくは無いが
> 土曜日の駅前はそれなりに混雑するんだなと妙な感慨を覚えた。
> ベンチに座ってぼーっとするなんて何年振りだろうか。
> 今日、あいつがこの街に帰って来る。俺の頭の奥で微笑んでいるあいつの笑顔が
> すぅと浮かんで消えた。実らなかった初恋の想い出。
> 「ひさしぶりっ。ねぇ私のこと覚えてる?」
> そんな電話がかかってきたのは1ヶ月も前の話だ。
> 今日、彼女が日本に帰って来る。

「よっ!」
突然背中を叩かれて我に返った。
後ろを振り向くと頬に指先が食い込む。
「あはははは! やっぱり引っかかったぁ!」
楽しげな、そして聞き覚えのある笑い声が背中にひびいて、
俺はベンチから腰を上げると、照れ笑いを浮かべながら振り向いた。
「葉子、おかえ・・・」
俺の目に映ったのは、昔のままの愛らしさと、年相応の女らしさを
身につけた幼なじみと、その横に立って穏やかな笑みとともにこちらを
見ている・・・葉子にお似合いの・・・男だった・・・。
俺の心の中にあった都合のいい恋物語は即座に幕を閉じ、同時にどす黒い
感情が染みのように俺の感情を支配していった・・・。

参考:2002/11/19(火)15時28分49秒