浩平 「どうせ一限目は遅刻だし、二限目から行こう」 七瀬 「い、いいのかなぁ……」 浩平 「良くはないが、そうかといって、授業中にふたり、腰砕けで一緒に入っていくわけにも」 七瀬 「う……」 浩平 「ここは、授業がひとつ済んで、教室がざわめいてるどさくさに紛れるのが得策だ」 七瀬 「そ、それもそう、ね」 浩平 「そうと決まれば、ま、多少のんびりしてても大丈夫だな。 シャワー浴びて、飯食おう」 七瀬 「ん……」 浩平 「七瀬はシャワー先に浴びてろ。 オレは何か食い物作ってるから」 七瀬 「え、いいよ。 あたしがご飯作るから、折原はお風呂入ってて」 浩平 「いやでもほら、昨日の夜、どっちがよりベタベタでドロドロになったかというと、そりゃ七瀬の方だろうし……」 七瀬 「……」 浩平 「……な?」 七瀬 「何が『な?』よっ、アホッ!」 そして。 七瀬 「――きゃあっ!? おおお折原っ!?」 浩平 「気が変わった。 オレもシャワー浴びたい。 浴びる」 七瀬 「っていうか、最初からこうするつもりだったんでしょっ」