(1) ” 無からの宇宙創生 ” という理論 ”トンネル効果”という量子力学的な効果によって、宇宙が”無”から突 然生まれるという理論。 トンネル効果 : 原子のようなミクロの世界では、物質は波としての性 質を持つので障壁があっても、粒子は障壁をトンネルを通るごとく通りぬける事ができる。 * 宇宙が始まる前は完全に”無”であったとしているが、無とは、物質もエネルギーも、時間や空間さえもない状態である。 * ところが、量子力学の世界では不確定性原理により、”無”の状態でも時間や空間が正確にゼロであり続けることは許されない。したがって時間や空間は常に”揺らいだ状態”でなければならないとされる。 * 小さな泡が生まれては消えていく事を”無の揺らぎ”と考え、又それぞれの泡が宇宙になり得る可能性があると考えられる。 * その泡が宇宙になるには、エネルギーの壁を越えなければならないが 、トンネル効果により可能となる。 ビレンキンは、宇宙はこの効果によって始まったと考えた。