2003/01/21 (火) 17:01:48 ◆ ▼ ◇ [mirai]コンビニ帰りに夜道を歩いていたら、「ほえぇ~っ!」という叫び声と共に
頭に物凄い衝撃を受けた。ずばーんと視界が真っ白になって身体がどこかへ
転がってゆくのを感じながらあぁおそらくきっとおれはいわゆるリーマン狩りにあった
んだろうなあと思ったところで意識が途絶えた。
気がついたら目の前に知世さんの顔があったのでかなり驚いた。
見まわすと小奇麗で広くていい匂いがするそこは知世さんの部屋だった。
夢ではないかと目を擦ろうとして、おれは自分の手をしげしげと見つめた。
白くて華奢な指、ピンク色の小さい爪。
手のひらでそっと自分の頭を触ると、ほわほわとした細い髪とおさげの感触がした。
心配かつ訝しげな様子の知世さんにお願いして鏡を見せてもらうと、予想に違わず
そこにはさくらちゃんがいた。
なにかの事情で墜落してきた彼女とおれが激突した際、そのショックで意識が入れ替わ
ったらしい。
自分と衝突した男はどうなったかを知世さんに訊ねると、目を覚ましたら確実にしつこ
くからんできてしかもいつまでも付きまとわれそうなタイプに思えたので、ボディー
ガードに指示して処理したという。
いまごろはお魚さんの餌でしょうから心配いりませんわと優しく微笑む知世さんの言葉
に同意しつつおれはとりあえず彼女の冥福を祈った。
そういうわけでおれはさくらちゃんとして余生を送るつもりだ。みんなよろしく。