2003/01/24 (金) 19:38:04        [mirai]
 「なぜ、林檎は赤く見えるのでしょうか」という質問には、2つの意味が含ま れています。
      1つは、化学的な原因をたずねる質問です。
      リンゴの皮には、アントシアン系の色素が含まれています。これは、美しい花 の花びらや紅葉する葉に含まれて
      いる色素です。酸と結合すると赤く発色しま す。この色素を透過し、散乱されて出てきた光は、波長
      600nm-700nmの波長の光 が多く含まれています。 もう1つは、この波長帯の光が「赤く見える」というこ
      とは、どういうことかとい う質問です。これは、測色学の分野であって、人間の目の仕組みと結びついて いま
      す。人間の視細胞には、赤、緑、青の波長帯に感じる3種類の視細胞しか ありません。この3種類の細胞の刺激
      の度合いによって色が区別されていま す。リンゴでは赤(610nm-780nm)を感じる細胞のみが刺激されるので
      赤く見えま す。ミカンから反射・散乱されてくる光は、550-700nmの波長帯の光が多く含ま れています。す
      ると赤に感じる細胞と緑に感じる細胞とが刺激されて、黄色に 感じます。
      印刷の会社では、光のp3原色(赤、緑、青)の代わりに、その補色である色 の3原色(シアン、マゼンタ、黄
      色)を使います。前者は加色混合で、後者は 減色混合です。マゼンタの色素は、緑を吸収して、青と赤が出てき
      ます。一 方、黄色の色素は青の色素を吸収して赤と緑が現れます。マゼンタと黄色を重 ねると、赤のみが透過
      して赤く見えます。萌え